君を愛してる 〜だから死にたい〜

 小学校の入学式で聡の姿を発見した時、心臓がやたらて早いリズムを刻んでいたのを覚えている。それが何を意味していたのか今ならわかる、きっとあれは『喜び』だったのだろう。

 生まれて初めて手にしたその感情を俺は持て余し、聡に素っ気ない態度を取った。

 「一稀?一稀だろ?!僕だよ、聡!孤児院で一緒だった聡!」

 「ああ、君か。覚えてるよ」

 極めてぶっきらぼうに俺は答えた。

 だが聡は気にも止めてないように俺の手を握り再会を喜んだ。