君を愛してる 〜だから死にたい〜

 俺達は、まるで死神の鎌で魂を刈り取られたような院長の急死で離れ離れになり、別々の人生を歩む事になった。

 俺は亜河家へ

 聡と美里はそれぞれ別々の孤児院へ行った。

 印象に残っていたのは別れ際に泣きじゃくる美里と聡――

 多分、俺も悲しかったんだと思う。

 血こそ繋がりはないが、赤ん坊の頃からずっと側にいた聡と美里。その二人との別れは悲しかった。

 それでも俺は、俺だけは涙を流さなかった。