君を愛してる 〜だから死にたい〜

 「そうですね、一稀さんがどれだけ生きていられるかわかりません、私も感染してしまうかもしれません」

 「うん、だから……ごめん――」

 呟く様に言って、俺はその場から逃げようと体を反転させた。

 「だから――」

 その俺の背中に砂稀の声がぶつかって足を止める。

 「だから何ですか?それが私と一緒にいられない理由になるんですか?」

 強い意思のこもった言葉だった。

 だから俺は取り乱したんだ……