君を愛してる 〜だから死にたい〜

 砂稀の唇の感触が鮮明に残る、あたかもまだそこに唇があるかの様に――

 「大丈夫ですよ、キスぐらいじゃうつりませんし」

 「そりゃ可能性はほぼ0だけど絶対じゃないから……俺は砂稀にうつ――」

 言いながら俺は気付いた、会話が成立している事に……

 成立してしまっている事に――

 「な……んで砂稀が――」

 そう――

 会話が成立するはずがないのだ。

 思わず口走った

 うつるから――