君を愛してる 〜だから死にたい〜

 朝とは違って、乾いた髪がサラサラと肩から流れ落ちた。

 「いやいや、そんな深々と謝らなくてもいいから」

 俺は思わずその髪を触れたくなる衝動と葛藤しながら、平静を装って言った。

 「ありがとうございましす。亜河さんのお宅もこの辺りなんですか?」

 「うん、そこに見えてる家なんだ」

 砂稀の問い掛けに俺は10メートル程先にある家を指差して言った。

 「えっ!?あそこですか?」