君を愛してる 〜だから死にたい〜

 なんとなく声を掛けそびれて、不本意にも後をつけるような形で俺は歩いていた。

 家まで後少しとゆう所で砂稀は急に足を止めた。

 振り向くでもなく直立不動で佇む姿は、秋空とのコラボレーションで一枚の絵画の様な雰囲気だった。

 「何か……御用ですか?」

 そのままの体勢で砂稀は低く言葉を投げ掛けて来る。

 「え?俺?いや……別に用はないけど――」

 予想外に重い声色に俺は心ならずも怯んだ。