君を愛してる 〜だから死にたい〜

 「別にそのままで構わないよ」

 「そうゆうわけにはまいりません、洗ってからお返しします」

 思いのほか強い口調で砂稀は言った。

 真っ直ぐに俺を見つめる二つの瞳――

 まるで吸い込まれそうな錯覚を覚える。

 「あ、うん……」




 その日の放課後、俺は家に向かって歩いていた。

 んー……

 何処まで一緒なんだ?

 学校からずっと、俺の数メートル先を砂稀が歩いていた。