君を愛してる 〜だから死にたい〜

 俺は仕方なく濡れたまま椅子に座る事にした。

 教壇に向かう担任の後ろについて、先程の女の子が一緒に入って来る。

 「今日は転校生を紹介する。さあ自己紹介をして」

 担任に促されて口を開いた彼女はやはり良家のお嬢様を思わせた。

 「初めまして、神坂 砂稀(コウサカ サキ)と申します。皆様よろしくお願いします」

 彼女はそう言ってから深々と頭を下げた。

 おー……

 意味不明なざわめきが教室にこだまする。