君を愛してる 〜だから死にたい〜

 「そんな事ありません、ありがとうございました」

 彼女が頭を下げると長い髪が流れ、上着に隠れずに濡れた毛先から雫が落ちた。

 「どう致しまして。さあ俺は教室行くから、君は職員室だよね?ここを真っ直ぐ行けばあるから」

 俺はそう言って階段の横に延びる廊下を指差した。

 「はい、本当にありがとうございました」

 彼女が言い終えると同時に始業のベルが鳴りだしす。

 「やべっ!じゃあ俺行くから!」