君を愛してる 〜だから死にたい〜

 「さてと……そろそろ限界か、嫌だけど濡れますか!」

 「そうですね、嫌ですけど濡れましょう!」

 俺は前に立ち、雨に飛び込もうとしてふと思い付くと、制服の上着を脱ぎ彼女の頭から被せた。

 「これでよし!まあ無いよりはましだろ」

 「でもこれでは貴方が……」

 俺は返事をせずに彼女の手を取り雨の中走り出した。

 11月の雨が急速に俺の体温を奪って行く中で、繋がれた手がやけに温かかった。