君を愛してる 〜だから死にたい〜

 俺達は降りしきる雨を無言で暫く眺めていた。

 「……雨、お嫌いですか?」

 「ん?……そうだな、出掛けなくていい時の雨は好きかな、なんか落ち着く感じがするから」

 「私もです、街がしっとりする感じで――人も花も木も……」

 彼女は遠くを見るような目をして雨に濡れる街を眺めてから

 「でも濡れるのは好きじゃないですけどね」

 と微笑んだ。

 「はははっ!確かに濡れるのはごめんだな」