「そうみたい、院長先生が見間違えたのかな?」

 「ミサトとサトコをか?いくらなんでもそれは無いような気がするけどな……」

 「うーん……」

 「まあ考えてわかるもんでもないな、こないだ美里が言ったように美里でもサトコでもお前に変わりはないしいいか!」

 そう、今更考えた所で明確な答など出るはずもない。

 俺達には過去より今、未来があるのだから。

 俺は自分にそう言い聞かせて、話題を『今』に移した。