その日私は誰も知らない教室の中でただ呆然としていた。

「な…なんで!?」




私の母校の中学校からは約20名もこの青葉高校に進学したというのに私のクラスには誰一人知り合いがいなかった。







「最っ悪!」

思わず独り言がでる。

もちろん高校に入ったら友達作りだって頑張ろうと思っていたがこうも一人だと浮いてる感じがして乗り気にならない。

そんなとき前の席に座っている髪の毛の長い印象の女の子が話しかけてきた。

「こんにちはっ
あたし川島 みずき
っていうねん!
友達と席離れてもてさ～
仲良くしてねん!」

太陽みたいなキラキラした笑顔で話しかけてきた女の子に私はさっきまでの憂鬱も忘れて嬉しい気持ちになった。

「みずきって言うん？
あたしは佐野 唯(ゆい)。
よろしくねっ!」


私達が仲良くなるのに時間は必要なかった。

もともとみずきと仲の良かった八島 愛夏(あいか)も入れた3人で仲良し3人組みたいにいつもいつも一緒にいた。





青葉高校に入学して２週間が経ってそろそろ部活を決める時期がやってきた。



私はスポーツは苦手で帰宅部に入るつもりだった。

それを２人に言うと

「え～唯!
部活やろうよ～」

「そうだよ。高校と
言えば青春!
青春と言えばスポーツ!
ね？」

と部活に入ることを進められた。


「ん～。でもあたし
スポーツ苦手だから…」
「マネージャーやれば
いいじゃんっ」

「ほんとだっ!
みずきの言う通り。
唯マネージャーやりなよ。」

「私達は陸上やってるから。
まあ放課後グランドにいるからみにきてよね。」

…………

あっという間に放課後。
グランドに行った私は顧問の先生の熱烈な歓迎を受けた。

「おー!陸上部にようこそっ!
マネージャーかあ。ありがたい。入ってくれるんだね？」

「(まずいよ～。こんなことになったら今更断れないよ～。)は…はい(苦笑い300％)」


私は訳の分からないまま部活に入ることになった。