≪葵Side≫


ついに…


このときが来てしまった。



「おばさん!!芽依美は…!!?」


私は、病院の廊下を全力ダッシュしている。


その6,7メートル後ろに、愛結の姿。



ついさっきまで、学校でいつもどおりの授業を受けていた私たちだけど、担任から『芽依美の容態が急変したらしい』と聞いて早退し、タクシーで急いで病院(ここ)まで来たのだ。



「今はまだ…手術中よ。ゴメンね。急に呼んだりして」


「いえ、大丈夫です」



「でも、きっと芽依美も…最期の戦いを二人に見守っててほしいと思うの」


手術中の文字を睨みながら、おばさんが言った。



【最期】



おばさんは…


なんて強いんだろう。




私には、


そんな覚悟できない。