「隠さないで,答えて」 真剣な表情で聞いた。 「私,どっか…悪かったの?」 母はピタリと動きを止め,此方を向いた。 ―悲しそうな,目で。 「芽依美はね…,」 そこまで言って止まった。 どくん… どくん… どくんっ…!! 心のどこかで,『ドコも悪くなかったよ』って言ってくれるって信じてた。 なのに… それなのに… 「芽依美はね…HIV…らしいの」 この世の全てが終わってしまえばいいと思った。