結城さいど




「……。」





俺は静かに病院のイスに座っていた。




向かえには親父とお袋が座っていて、
俺の隣には従兄弟の
遼平が(リョウヘイ)座っていた。




だが、誰一人言葉を発しようとしない。




親父は下を向いて辛そうな顔をしていた。




遼平は心配そうな顔をして
少し貧乏揺すりをしていた。




お袋はたまに俺の顔を見て
涙を堪えている感じだった。




俺は赤いランプの付いた
「手術中」とかいてある
ドアをずっと見つめていた。




(…っなんでだよ!)




何で…なんで、あの二人が…




なんで、姫希と陸が…




…事故になんて
遭わなくてはならなかったのか…