「あ、あたし…
今…好きな人がいる、かもしれない
でも相手はあたしのこと
おもちゃとしか思ってなくて…
頭の中ぐちゃぐちゃなんだ…
それに陸のことは好きだけど
なんていうか…家族みたいな感じで…
だから…陸の気持ちには…応えられない」
自分なりに考えて気持ちを伝えたつもり
陸のほうが辛いはずなのに、
なんで涙が溢れるわけ?
「…銀龍の総長、か…」
ポツリと呟いた言葉には重みがあった
っていうか、なんで知ってるの?
「な、なんで?そのこと知ってるの…」
「お前と何年、一緒にいたと思ってんだ?
それぐらい…わかりたくなくてもわかる。」
眉を下げて笑う陸はなんかいつもと違う
ちょっと弱々しい感じ
「…っていうか…おもちゃにされてんのか」
「あ、いや、まぁ…それは…」
「ふーん…俺にも付け入る隙はあんだな。」
「…はい?」
「両思いなら諦めようと思ってたけど、
まだわかんねぇなら…お前に俺のことを
『好き』って言わせてみせる」
「ちょ、ちょっと待って…話が飛躍しすぎじゃ…」
「というわけで、んじゃ」
「はぁ!?いい逃げかよっ!!!」
マジで病室出てきやがったし!!

