不良姫×不良王子








「あんたらの総長を出せ。」




そこまで殺気出してるつもり
なかったんだけど
男達は一歩引いていた





「俺はここだよん」




声のしたほうに目を向けると
黒髪の一見、優しそうな男が目に入った


男は二階からあたしを見下ろしている




「あんたが総長?」



「そうだよー君、【姫】だよね?」



「…」





総長がニヤッと笑ったと同時に
静かだった周りが騒ぎ出した



『アイツが姫…』



『結構かわいーじゃん』



あんたらに可愛いって思われても
嬉しくともなんともねーよっ!





溜息をつきながら視線を男に戻した