不良姫×不良王子





「…。」




「…。」




(誰かいる!?)




あたしは小声で陸に話しかけた。




(それ、俺も思った。
今の会話聞かれてたらお前やばくね?)




(…だね…。)




それからあたしたちは
微動だにせずに時間が過ぎるのを待った。




数分後、陸が静かに腰を上げ
図書室のドアのほうに近付いた。




からら。




ドアは小さな音を立てて開いた。




「…ふー…誰もいねぇ。」




「そっか…危ない危ない。」




「つか。もう、昼休みはいるぞ。」




「嘘!?あたしたちどんだけ話してたのよ。」




「…さぁ?」




「とにかく!一旦教室戻らなきゃ!!
あ!あんたは時間置いて戻ってきてよ!!」