「分かってる、って」

「イチゴォ。ミュウちゃんに免じて許してあげるから、さっさとお部屋に上がって着替えなさいよォ」

「でも……」

やっぱり躊躇して、前に足を踏み出せないでいるあたし。

そんなあたしの背中をポンと押してくれたのは、ミュウ(仮名)の言ったひと言だった。


「安心しろ。おっさんはキョーミもねぇ女のカラダになんざ指一本触れやしねぇ。それどころか見向きもしねぇ。だから着替えて、おっさんに服を乾かしてもらうんだ。あとドライヤーも借りて髪のセットもさせてもらえ」


言い方は乱暴そのものだったけど、意味的にはあたしに親切にしてくれてるんだってことが分かる。


「う、うん……」


だから、あたしはマンゴーママのお店の奥の部屋に上がることにした。


そして、このときハッキリと確信した……、

ねこの目のようにコロコロと態度が変わる謎のイケメンが、その言動とは裏腹に、ホントはいいひとなんだってことを―――――