恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~


だから、どう考えても、あたしが自意識過剰であるはずがない。


「あたし、全然、自意識過剰じゃないよ」

だからこそ、あたしはキッパリと言える。



「じゅうぶん自意識過剰だ。自意識過剰だから、まわりの目が気になるんだ」



「自意識過剰だから……まわりの目が気になる……?」

思わず彼が言ったのを繰り返してしまう。



「いいか? 自分で思ってるほど、まわりのニンゲンはお前のことなんて、なんとも思っちゃいねぇんだ」



「えっ…!?」



「自分の言った何げないひと言とか、ちょっとした仕草なんかで、まわりのニンゲンが一喜一憂してると思うのは大きな間違いだ。お前、いったいなにさまのつもりだ? 自分がアイドルにでもなったみたいな気でいるんじゃねぇのか?」