恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~


「なっ……」

一瞬でも、彼のやさしさに感動しそうになったあたしがバカだった。


このヒト、名前も知らないあたしに向かって、よくもまぁ、こうもポンポンと相手の機嫌を悪くさせるようなことをヘーキで言えるもんだ、と思う。

逆にあたしは関心してしまいそうになる。

あたしなんか、相手にイヤ思いをさせないように……相手に嫌われないように……って、いつも四六時中そんなことばっかり考えてるのに……。

このヒト、“自分がそんなこと言って、相手に嫌われたらどうしよう?”なんてコト、考えたりしないのかな?


あ、そっか……。

このヒトはイケメンだから、どんなこと言ってもゼッタイ女のコには嫌われないんだ。

きっと神さまが、クチの悪いこのヒトが世の中で生きていけるように、せめてルックスだけは良くしたんだろうと思う。

自分で言うのもトホホだけど、あたしはチビで貧乳で実にトホホなルックスだと思う。

彼とか、井川センパイとか、あゆみセンパイみたいな美系なら、出逢って1秒で相手に惚れられると思う。