「それに、そのねこ、“サンドイッチ”にするつもりか?」


「え……?」


みゃあ…


あたしが捨てねこをだっこしたまま、彼に抱きついたから、あたしの胸と彼の胸とにはさまれて白いねこたんがサンドイッチにされようとしてたんだ。


「ご、ごめんね、ねこたんっ……」

慌てて彼のカラダから離れるあたし。

「……って、謝るのはねこに対してだけかよ。ま、いいや。それよりお前、ナニ、そのカッコ。お前らのあいだじゃ、ソレがこの春のトレンドなのか?」

ひと月ぶりで会っても、ヒトを小馬鹿にしたような言い方は相変わらずだ。


「………」

だけど、なんでこうなったのかなんて説明したくなかった。

説明しようと思ったら、イヤでもさっきセンパイにされたことを思い出すことになっちゃうからだ。