髪はペッタンコ、服はシワくちゃ。

家に帰る以前に、人前に出ることさえできずに、公衆トイレの裏で“捨てねこ”をだっこして泣いてたあたし。


そんなあたしを見つけてくれたのは、ひと月前のある夜のこと、ココと同じ公園で出逢ったねこ好きの謎のイケメンだった。



「うわっ、お前、抱きつくなよっ…」



天下の女子高生サマに抱きつかれれば、世の男のヒトたちなら、誰だって大喜びするはずだった……自分で言うのもナンだけど。

だけど左目に眼帯をした謎のイケメンは、こともあろうに露骨にイヤそうな声を上げた。


ありえないしーーーーーーっ!!


カチンとくるあたし。



「お前、濡れてんじゃん、服っ…」



あっ……そーいうことか……。

あたしが濡れてるから、自分の服まで濡れるのをイヤがった、ってことか……。