恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~

「ヘックショラッ」

……と、世にもブサイクなクシャミをしてしまった。


みゃあ…


そこへ、よほどおなかをすかせたたのか、ついに黒ねこたんが鶏のからあげに釣られて、トコトコとあたしの前に姿を現した。

「よかったァ」

アレルギーの涙と嬉し涙とで目をウルウルさせながら、ねこたんを胸に抱き締めたあたしは、親にはナイショでカレ(黒ねこたんの股間には立派なモンが付いてたんですっ)と一晩ベッドを共にすると(キャッ♪)、翌朝一番で近所の犬猫病院へと連れていった。



獣医の先生のハナシによると、恋の季節のハルだけあって、この黒ねこたんはおそらくギザカワユスなメスねこたんをめぐって、他のオスねこたんとガチンコバトルを繰り広げたんじゃないか、ってことだった。

実は昨夜助けたときから片目ウインク状態で、あたしはバトルで目をやられたんじゃないかと心配したんだけど、先生は角膜にキズが見当たらないことから土でも入っただけだろうと言って目薬を注してあげていた。


本当なら目が治るまで、親に隠れてでも飼ってあげたいところだけど、悲しいかなあたしはねこアレルギー。