恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~

でも、ねこアレルギーのあたしに飼ってあげるなんてことは無理だと思う。


「……分かったよ……」


だから、あたしは別れを決めた。

まだゴロゴロとノドを鳴らしていた黒チビねこたんを、ウインクねこたんの横に並べてやさしく置くと……、

「にゃあ……」

……と、あたしはひと鳴きした。

“バイバイ、ねこたん……いいひとに拾われるんだよ……”という思いを込めて。


バタンっ

後部座席に乗り込んでドアを閉めると、父はクルマを発進させた。


置き去りにしてきたねこたんたちのことはもちろん気がかりだった。

でも振り向けば終わりだと思ったあたしは、首の筋肉をコチコチに硬直させて、一生懸命に前だけを見た。


「…っ!!」


……と、そのとき前を向いたままなのに、振り向かないのに、ねこたんが見えた。