「けど、そのオンナからひとつだけ学んだことがある。それは、中途半端なやさしさくれぇ残酷なモンはこの世にねぇ、ってことだ」
「“中途半端なやさしさくらい残酷なものはない”って……ソレ、たしかはじめて会ったときも、そう言ってたよね……? 飼う気もないのに捨てねこをだっこしたあたしに向かって、そう言ったよね……?」
そして“期待させて裏切るくらいなら、ハナから無視してくれたのほうがまだマシ”とも言ってた。
愛したヒトに裏切られたっていう、その苦い経験が今の彼の人格を形作ったんだろうね、きっと……。
「お前さ」
あたしのほうを向いて、静かな感じでミュウトが言う。
「恋のやり方って知ってるか?」
それはあまりにも唐突で、直球ド真ん中の質問だった。
「えっ……恋のやり方って……そんなの、あるわけないよ。だって意識して相手を好きになろうとするんじゃなくて、気がついたらそのヒトのことがどうしようもないくらいに好きになってた、って……それが結果的に恋してる状態になるんじゃないかな……?」


