恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~

ヒトに何かを頼まれるとゼッタイ「イヤ」って言えないあたしが、気がつくと「イヤ」って言ってた日曜日の朝だった――――



      ×      ×      ×



家に帰りつくなり、あたしは頭から熱いシャワーを全身に浴びた。

とにかく1秒でも早く、いろんなものを洗い流したかったからだ。


1度はマンゴーママのお店でカンペキにセットしなおした髪が、濡れて再びペッタンコになった。

髪の水気をタオルで拭き取りながら家の廊下を歩いていると、釣りに出掛けていて今は不在の父の部屋の前にさしかかった。



「ナイトバーズ……」



数分後、父のノートPCで、ミュウトの勤務先である歌舞伎町のホストクラブ『club☆NIGHT BIRDS』のHPを検索しているあたしがいた。


「へぇ……ママが言ってたこと、ホントだったんだ……」