恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~


「それともオレに抱かれたくて付いてきたか? ……つーか、お前、さっきまではボロボロだったが、ちゃんとしたカッコしたら、案外まともじゃね? なァ~んか、オレ、急にムラムラしてきた。たまには“少女”を抱くのも悪くねぇか」


「えっ……」


「おい、一子、キスさせろよ、キス。キスさせろ、っつってんだよっ」


言い終わるなり、グイッとあたしの手を引っ張り、あたしのカラダを引き寄せて、強引にキスをしようと迫ってくるミュウト。


「イヤっ……イヤだ、やめてお願いっ……」


あたしは迫ってくるミュウトの整った顔をひっぱたこうとして……だけど距離が届かなくて、結局、空振りしそうになったあたしの右手は、そのツメで彼の頬を引っかいていた。


「…ッテェ……ねこだけに引っかきやがったな……」


ミュウトがひるんでいるスキに、彼から逃げて距離を置くあたし。


「……ったくヒトの商売道具にキズつけやがって、これじゃ、店に出られねぇだろーが」