『き、きっと、大丈夫、だから』



そんな中、


千夏ちゃんは震える声でアタシを慰めた。


膝の上の拳も尋常じゃないほどに震えている。




―千夏ちゃんのほうが‥不安そうにしてるじゃん




無理してアタシを元気づけようとしてくれた千夏ちゃんに対して

この上ない感謝の念がこみ上げる。



「そ‥だよね
そんなヤワな人たちでもないしね」



喉から絞り出すようにアタシが呟いたと同時に


救急車が止まった。



病院に付いたみたいだった。



慌ただしく2人の男たちが下ろされて、

病院の中に運ばれていく。


ぼんやりと突っ立っているアタシたちに、

ひとり残った看護婦さんが



『中で待ちますか?』



と聞いてきた。




もちろん、激しく首を縦に振る。


隣を見やると千夏ちゃんもまったく同じ行動をとっていた。