―ザザー‥‥ ―ピーポーピーポー‥ 穏やかな波の音の中、残酷なサイレンの音が近付いてくる。 白い砂の上にシートを敷かれ、そこに横たわる正と千夏ちゃんの彼。 ライフセーバーが人工呼吸をしているのを、 アタシと千夏ちゃんは突っ立って見ているしか出来なかった。 言いたいこと、 聞きたいこと、 たくさんあるけど 具体的に言葉にならないし 正たちの意識は戻らないし‥ 気が狂ってしまいそうだった。 ―いったい、アタシたちが居ない間に何が起こっていたのか…?