アタシは笑われたのが悔しくて正を叩こうと手を振り上げる。



しかし、その手はいとも簡単につかまれた。








…すると途端に正は真剣な顔をして、


アタシを見つめた。





―え??何、この空気…





急に沈黙が流れ始めたことに戸惑ったアタシは、とりあえず腕を離してもらおうともがいた。




でも、正はすごく強い力でアタシの腕をつかんでいて…



どうすればいいのか分からない。





「ねぇ、正、急にどうしたの……んッ」



アタシが口を開きかけた瞬間、言葉を遮るように正の唇がアタシの唇に重なった。



「正ッやめ…んんッ」



キス初体験のアタシは、息のつきかたが分からない。


それに対して正は、まるでベテランのように上手いキスをしてくる。





「は…ッ」




息苦しくて唇を離した。


正の顔が恥ずかしくて見られない。



何?さっきのアタシの変な声…



そして何より……



アタシ、初キスしちゃった。