「はいもしもし?」



もしかして連絡網かな??




『あぁ俺、俺だけど。』





受話器越しに低い男の声。


俺って言われても…


オレオレ詐欺かっつーの。




「あのー…どちら様でしょうか?」


『ゴメン、葉山だけど…』




「え!?敬太!?」



その名前が出てきた瞬間、

色んなことを考えた。



電話出た時アタシの声、めっちゃ低かった!


態度悪く思われてないかなぁ〜…




好きな人が関わると女は神経質になる生き物である。


少なくともアタシはね。




「…それで、どうしたの?」



緊張を必死に隠しながら敬太に聞いた。



すると彼は笑いをこらえながら言う。




『うーんと…何つーか…俺の友達がお前と遊びたいんだってよ』



その瞬間、


『余計なコト言うな!』


と言う違う男の子の声が聞こえた。


多分、敬太は今その友達と居るのだろう…。



「何でアタシなの?」



敬太から電話が掛かってきたからちょっとドキッとしたのに。



まぁ、恋はそう漫画のようには上手くいかないよね…



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