敬太はしばらく黙り込んで俯いていた。



でもアタシは、


敬太が口を開くまで絶対に動かない、と決めて

ずっと敬太を見つめている。



そんなアタシに気付いたのか、


敬太はまたふいっと顔を背ける。



‥言えないようなことなの??



『別に、お前に関係ないから』



口を開いたかと思えば、


敬太はただそう呟いただけだった。



じゃぁ、とアタシは次の質問をする



「どうしてアタシを支える気になったの?」



『‥‥‥‥』



「ねぇ」



『‥アイツと約束したからだよ』



「‥‥正と?」




敬太は小さく頷き、それと同時に柔らかな風が頬をすり抜ける。




「頼むって‥
どーやって?
正は、自分が‥‥‥死ぬこと‥‥知ってたの?」



つじつまの合わない言葉に首を傾げるアタシ。



【死ぬ】



というあまりにも残酷な言葉を口に出すとき、

怖くて言えなくて間が空いた。



けれども敬太は首を横に振った。




『違う。けど、言っても信じてくれないと思う』




「教えてよ!!」





アタシは思わず声を荒げた。






「そーやって何も分からないでいる自分が嫌いなの!」






馬鹿。



何で敬太に怒るの??




いや、敬太じゃない




アタシは自分に怒ってる。




もっと早く知れば良かったことも




「いつか分かる」




そんな安易な考えをしていたから




いつのまにか闇に葬られてく。





その

「いつか」

っていつ来るの?



明日?


明後日?



100年後??




だから今聞かなきゃいけない





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