彼は手の甲で口元をぬぐうと、さっきの照れた顔はどこへやら、

アタシの目を真っ直ぐに見つめてハッキリと言った。




『俺、明日香ちゃんが好き!いつも廊下ですれ違うときとか可愛いなって思ってた』




「え……」




実はアタシは告白を受けたのは人生初。


しかも、まさかこんなに大胆な言い方をするとは思わなかった。



正くんはふーっとため息をつき、

“やっと言えた‥”

とでも言うような表情をしている。












だけど‥‥‥、






アタシには、


好きな人が居る。






「…ごめん。まだそーゆー風には思えないや」





この言葉を言うのが苦しかった。



正くんは何も言わず、沈黙が流れる


この空気、ヤバい…気まずい。



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