「そう。 アタシ達は、このメジャーなネットゲームの中にオリジナルのステージを組み込んで、その中で極秘に情報のやり取りをしてるの。」
ジェニファーは文字列から目を離さずにそう答える。
「この場合の謎はパスワードみたいなモノ。
それはいつも変わるから、アタシたちは暗号化されたログでそれを見つけなくちゃ次に進めないってワケ。
・・・よし。 解析完了。」
ジェニファーはウサギに向かって言う。
「アイテムはブルーバード。」
「正解です。
では次のステージのマップを開きます。」
ウサギはそう言うと、再びステッキの先で本の小口をノックした。
「アタシたちは、マップの中から目当ての情報屋を見つけ、そこで必要な情報を入手してるの。」
ジェニファーは指先でマップを操作し、その中にあるショップを意味する四角い緑色の印を小さくクリックする。
――すると、 『Dopester』(情報屋)とクレジットされたそのショップから、派手なスカーフをバイキング風に巻きつけた、彫りの深い顔立ちの女が現れた。


