「あぁっ! これって、謎ウサギだよね?!」
それを見るなり、身を乗り出して人差し指を差し出すビルをアルベルトが押しとどめる。
ジェニファーはそれには答えず、ウサギから目を逸らさずに応えた。
「ハートの3、スペードのキング」
ウサギはその瞳を一瞬金色に輝かせ、
「確認できました。」
そう言ってテーブルの中央に開いた小さなブラックホールにスルリと入り込むと、直ぐに分厚い本のようなモノを手にして現れた。
「では、新しいステージに進みますか?
それとも過去のステージをロードしますか?」
ウサギは手に持ったステッキで本のタイトル下にある二つの時計を指し示す。
右の時計の文字盤には正位置に、左の時計の文字盤には逆向きに数字が並べられている。
「ね、ジェニファーちゃん、これってVINOで大人気の謎解きゲームだよね?」


