NOEL(ノエル)


ミルクは大きく息を吐いた後、ゆっくりとファクトリーの中を見回してみる。

寸分の隙も無く構成された空間の中に、様々な目的を持つ機械たちがうごめく。

それらはある一定のリズムを保ちながら、その先にある物体に生命を与えていく。

「美しいわ・・・」

ミルクはそう呟くと、手元の端末に簡単なイラストを描き、そこに細かく注釈を書き込んでいった。

(もう少し・・・見て行ってもいいわよね)

ミルクは奥のブロックへと足を進めようとして、視界の端に違和感を覚える。

(あそこ・・・)

ミルクが目を細めて見る灰色のコンクリートの壁、そこには僅かだが縦方向に真直ぐな亀裂が入っていた。

良く見ると亀裂は少し離れた場所にもう一本入っており、その亀裂からは断続的に赤い光のようなものが漏れていた。

(何かしら?)