NOEL(ノエル)


「800年という歳月の中で、あなた達は驚異的な速度で進化を遂げ、VINOの人間達に勝るとも劣らない知能を身に着けた。

でも・・・」

ミルクはそこで言葉を切る。

「所詮は、フェイク。
ホンモノにはかなわない・・・か?」

ガイは、くくっと喉を鳴らしてミルクを見る。

「負けず嫌いな研修生が来たもんだな。」

ミルクはその言葉には応えず、目の前で続けられる製造の最終段階の過程を、ガイから借りた透明なPad状の携帯端末にメモしていく。

「ミルク」

ガイは低く言うと、ミルクの左肩を掴む。

ミルクはその大きな手を一瞬見つめ、その視線を上へと移動させる。

「何か?」

「フェイクは、時としてホンモノを超えちまう時だってあるんだぜ。」

ミルクは気丈そうなその表情を一瞬曇らせると、左肩を掴む手をそっと外し、その体を真直ぐにガイへと向ける。