「まぁいいや。
とにかく、邪魔が入らないうちにこっちの状況報告をするよ。」
ビルは声のトーンを落として続ける。
「アルベルトは無事に研修場所に到着した。
今のところ、健康状態も良好。
研修場所はNANO中心部に位置するが、治安はいい方だと思う。
ただし・・・セシルの動向によってはかなり危険な状況になる恐れもある。」
「待て。
何故セシルが関係する?
セシルを送り込んだのはNANOのエド・ブルーのファクトリーのはずだ。
アルベルトの研修先はNANO郊外にある工業用アンドロイドのファクトリーではないのか?」
「あ。」
ビルはあわててその口を押さえる。
「何を隠している?」
白衣の青年は俄かにその表情を険しくする。


