「あぁ。だよな。
アンドロイドごときがその『イレイズ』を名乗るって事ぁ、有り得ねぇ話だよな。」
「はい。」
「でも、それは現実に存在してやがる。
悪戯にしちゃ、かなり手の込んだ悪戯だぜ?」
「そう、ですね。
しかも彼は・・・危険な存在だ。」
アルベルトはドームでの惨劇を思い起こし眉を顰める。
「いいか、あいつはな、俺がVINOに上げたガイノイドに指示されて此処へ来たと言っている。」
「VINOに上げたガイノイド?」
「ああ。
コードナンバーED-30360、俗称リナだ。」
「え、ちょっと待ってください。
コードナンバーED-30360って・・・
その人は、僕が先月VINOの白の翼で会った女の子ですよ!
ふらふらで・・・助けようと思ったら、黒服の男達に連れ去られてしまって・・・それで僕は彼女の事を調べようと思って・・・」
アルベルトは何時になく焦った声を出す。


