ψ11. 知らされざる過去





――カチ

エドは研究室のドアにロックをかける。

「あの・・・」

「別に変な意味じゃねぇよ。

俺の周りは空気読まずにドカドカ入って来やがる奴らばっかだからよ、念のためロックしとかねぇとな。
話も出来ねぇ。」


「いえ、そうではなくて・・・
すみません。 きちんと自己紹介もしていなくて・・・
エドさんが気分を害されるのも尤もです。

僕は、アルベルト・イレイズと言います。
VINOのペンドルトン・ハイスクールから来ました。

今日からこの家にお世話になります。
よろしくお願いします。」

アルベルトはエドに向かって深々と頭を下げる。

「ああ、そうだったな。
先週スクールから送られてきたメールにはそう書いてあった。」