エドは一瞬その白髪交じりの眉をしかめ、
「NOEL・・・聞いたことねぇな。
また、上の連中が作ったくだらねぇイベントか。」
吐き捨てるようにそう言うと、少年の華奢な肩をその大きな手でがっしりと掴んだ。
「気にするな。
お前を作った人間が何を口走ったか知らねぇが、お前達アンドロイドの生存の権利は、VINOでも、このNANO CITYでも、保証されてる。」
「保証・・・?」
「守られてるってことだ。 だから、心配はいらねぇ。
それが、フェイクを公然と認めてるこの世界のルールだからよ。」
少年はエドから目を逸らすと暫くじっと黙り込んでいたが、
やがて、ふっとその顔を上げるとエドに向かってこう言った。
「ねぇ、僕を、守ってくれる?」


