NOEL(ノエル)


「ああ。凄く似てるらしいよ。
もっともアタシはあんなに綺麗じゃないけどさ。」

ニコルはそう言って少し口を尖らせる。

「それで・・・それでその人は夢の中で何を?」

アルベルトは急かすようにそう言うと、ニコルの琥珀色の瞳を覗き込む。

「いつも悲しそうな顔をして・・・アタシに言うんだ。
『ごめんなさい』って・・・。

それから・・・」

そう言いかけてニコルは、ふとアルベルトの視線に気づき、

「えと・・・」

俄かに頬を赤らめてその先を言い淀む。

「ん? どうかした?」

「あ、いや・・・
その先はあんまり覚えてない。
何か・・・言っているようだったけど、よく聞こえなくて。」

「あぁ・・・そうか。」

アルベルトはそう言うと、少し考えてから次の言葉を繋ぐ。

「実はね、僕も昔からよく見る夢があるんだけど・・・」


――シュンッ


アルベルトが言いかけたその時、ニコルの部屋のドアが勢い良く開かれる。