「両親を・・・奪われた?」
「ああ。
アタシのパパとママはアタシが2歳の時にVINOに行ったきり戻って来ない。
アタシは爺ちゃんに育てられたんだ。
爺ちゃんはVINOの事を話そうとはしない。
VINOの仕事の話をするようになったのも、つい最近の事だ。」
ニコルはそう言って目を伏せる。
「ご両親の事は、覚えているのか?」
「少し・・・ね。
でもアタシの夢の中によく出てくるのは、何故かパパやママじゃなくて・・・
カロル伯母さんなんだよな。」
「カロル・・・伯母さん?」
「うん。
たぶん・・・そう。
アタシが生まれる前に死んじゃったから、顔はよく知らないけど、爺ちゃんのモニターに映ってる人にそっくりだったから。」
アルベルトはハッとして尋ねる。
「もしかして、その人は君に似ている?」


