「あっ!見るなよ!」
ニコルは慌ててベッドから飛び起きると、ふらつく足でアルベルトのもとへと走り寄る。
「『VINOの生態系の特徴・・・
推測①・・・
推測②・・・
推測③・・・
・
・
・
』
これ全部君が書いたの?」
「だから見るなって!返せっ!!」
ニコルはアルベルトから本を奪おうと手を伸ばすが、身長差30cm近くはありそうなアルベルトの手にはとうてい届きそうにない。
アルベルトは更にページを捲る。
すると、ページの間から小さな紙切れがハラリと舞い落ちた。
「あっ!それは絶対ダメ!!」
――ドスッ!
ニコルが咄嗟にアルベルトの体を押しのけると、
「うゎ!!」
アルベルトはバランスを崩してデスク脇に並んだ金属のパネルスイッチに片手を付く格好になった。


