しばらくして、穴の下からユーロの声が響く。

「OK! ミルクちゃん、梯子巻き上げてくれるー?」

「了解です!」

ミルクはハンドル横のボタンを二回押す。

すると、梯子はゆっくりと持ち上がり、

やがてアルベルトに抱えられたニコルが姿を現した。

「ちょ・・・おいっ!
誰だお前は!
離れろっ!お前ニコから離れろ!おいっ!」

エドがスクーターから落ちんばかりに身を乗り出して叫ぶと、

「大丈夫ですよエドさん。
そいつ、女に興味無いですから。」

ワゴンの後の窓からビルが顔を出す。

「何だ?余計ヤバイじゃねぇかよ!
女に興味のねぇ野郎なんか俺は信じねぇしよ!

ニコ! おいニコ!目を覚ませっておいっ!」

更に必死に叫ぶエドに、ミルクは冷静な声を投げる。