「お待たせしました。
ニコルさんはその中でしょうか?」

ワゴンの中から、緊張した面持ちのミルクが顔を出す。

「あ、あんたさっきの・・・」

ガイの声にミルクはピクリと肩を震わせる。

「あぁ悪いな姉ちゃん、ワゴンをこっちへ着けて、そこのハンドルの右のボタンを押してくれねぇか?」

エドはミルクを手招いて指示を出す。

「了解です。」

ミルクは瞬時にワゴンをエドのスクーターの脇に着けると、

「梯子を出すのですね?」

そういいながらハンドル横のボタンを押す。

するとワゴンの後ろのボックスから、細いパイプで出来た梯子がドームに向かって真直ぐに飛び出した。

「上等じゃねぇか姉ちゃん。」

エドはミルクに向かって親指を立てる。

「先ほどマニュアルを読みましたから。」

ミルクは少しはにかみながら頷いた。