「ここにあの軟弱なビルを連れて来なくて正解だったよなぁ。
3分も持たないだろう。」

「おそらく。」

「だけどね、コレがある意味NANOの本当の姿でもあるんだ。」

「え?それはどういう・・・」

そう訊ねようとしたアルベルトの首元に何かが巻きついた。

「あら、いいオトコ。」

「うゎ!!」

アルベルトは思わず声を上げる。

「んん?
アンタ、ここいら辺のヤツじゃないね?
何者だい?!」

天井のダクトぶら下がる大蛇は、巻きつけた端にある鎌首をもたげると『シャーッ』と真っ赤な口を開げ、金色の目を光らせる。

「止めろ。
この子はうちのお客さんだ。手を出すんじゃない。」

そう言ってユーロは大蛇の喉元を締め上げた。