――グォォォォッ
「なんだ?あの音は・・・」
前方から地を震わすような重低音が響いて来る。
――グォォォォーッ
音は徐々に大きさを増しているようにも思える。
「何かな・・・
人の声にも聞こえるし・・・動物の鳴き声にも聞こえるような・・・」
ビルも聞き覚えの無い音に首を傾げる。
「ん?」
その時、ユーロが何か大事な事を思い出したように目をパチパチと瞬かせた。
「この先は確かAirワゴンが停めてある駐車場・・・
ぉあっ!そう言えば今日この辺でセシルのライヴがあるってニコが言ってたような・・・
え、じゃ、ひょっとして僕のAirワゴンって・・・」
そう言いかけてユーロは、ハッと息を呑む。


